頭を打った

頭を打ったら何科を受診すべき?

頭を打った時の受診先としては、整形外科、脳神経外科などの診療科が候補となります。
どちらを受診した方が良いかは難しいところですが、脳神経外科では、外傷性くも膜下出血などの命にかかわる疾患までを早期発見することが可能です。また、脳だけでなく脊髄・神経の診断や治療も行いますので、そういったことを考えると、脳神経外科の方が安心と言えるかもしれません。
なお、いずれを受診する場合も、少なくともCTを設置している医療機関を受診されることをおすすめします。当院では、最新鋭のCT、MRIを導入し、より精度の高い診断ができるよう努めています。

頭を打った時どうしたらいい?応急処置について

頭を打った時どうしたらいい?応急処置について自分で転倒し、頭部に傷や腫れがなく、元気であればそのまま様子をみてください。翌日も変わらず元気であれば、まず心配ありません。
頭部に傷を負った・腫れている、元気がない、頭痛がする、吐き気・嘔吐がある、物が見えにくい、耳や鼻から出血がある、身体の一部を動かせないといった場合には、医療機関を受診してください。

応急処置について

まずは、頭部の傷や腫れの有無、意識の確認を行います。意識を確認する時には、強く揺さぶったりせずに、名前を呼ぶ・肩を叩くという方法をとってください。
出血している場合は、清潔なハンカチやタオルを傷口にあてて、強めに圧迫します。頭部は小さな傷でも出血が多くなりますが、慌てないようにしてください。たんこぶなどの腫れに対しては、5分ほど冷やします。
意識があることが確認できたら、ケガをした時の状況などを確認します。これには、会話が正常にできるかを確かめる意味も含まれています。その後、必要に応じて医療機関を受診します。
なお意識がない場合には、ただちに救急車を呼んでください。

頭を打った後、このような症状がある場合は早急に受診を

頭を打った後、このような症状がある場合は早急に受診を
  • 頭部に傷を負った・腫れている
  • 元気がない、眠ってしまう
  • 頭痛、吐き気、嘔吐がある
  • 視力低下、物が二重に見える
  • 手足のしびれ、麻痺
  • 痙攣
  • まわりから見ておかしな行動をとる

上記のような症状が見られる場合には、迷わず当院にご相談ください。
※場合によっては、救急要請が必要になります。迷った時には「♯7119」にダイヤルしてください。

 

頭を打った時に考えられる病気

頭を打った時には、以下のような病気の可能性を疑います。
外傷後すぐに症状が現れるものもあれば、しばらく経ってから症状が現れることもあるため、注意が必要です。

皮下血種(たんこぶ)

頭皮の皮下組織で出血を起こした状態です。
血種が増大し、ブヨブヨとする場合には骨折の可能性を考えます。

脳震盪

頭痛、吐き気、集中力の低下、言葉が出づらいなどの症状が見られます。
スポーツ中に起こりやすく、その場合にはプレーには戻らないでください。再度頭を打った場合など、命が危険にさらされることがあります。

外傷性くも膜下出血

外傷を原因としてくも膜と脳のあいだに出血がたまった状態です。
すぐに入院し、必要に応じて薬物療法や手術などの治療を受けます。

急性硬膜下血腫・急性硬膜外血種

硬膜と脳のあいだに出血する「急性硬膜下血腫」は外傷後数時間以内に、骨と硬膜のあいだに出血する「急性硬膜外血腫」は外傷後数時間が経過してから、手足のしびれ・麻痺、悪心、嘔吐、痙攣、瞳孔の左右差などの症状が現れます。
どちらも、CTで診断ができます。場合によっては緊急の手術が必要になります。

脳挫傷

外傷などにより、脳自体が損傷した状態です。
障害された部位に応じて、身体の片側の麻痺、言葉が出づらい・理解できない、意識低下、呼吸困難などの症状が現れます。
なお後遺症として、高次脳機能障害が起こることがあります。

高次脳機能障害

頭部外傷を負った場合に起こり得る後遺症です。
記憶を思い出せない・新しくものを覚えられないといった「記憶障害」、集中力低下・注意散漫などの「注意障害」、無関心やイライラ・性的な逸脱行為・ギャンブルの没頭などの「社会的行動障害」、考える・判断する・解決するといったことが難しくなる「遂行機能障害」などがあります。

頭蓋骨骨折

頭蓋骨骨折は、身体の片側の麻痺や感覚障害、言葉が出づらい、痙攣などの症状を引き起こします。また、頭蓋骨の内圧が高くなることで、強烈な頭痛や嘔吐、意識障害などを伴うこともあります。すぐに救急車を呼ぶ必要があります。

頭部打撲は放置せずCTなどの検査を

脳ドック頭を打った時、命を守るため、障害を残さないために重要となるのが、早期に正確な診断を行うことです。
当院では、最新鋭のCT、MRIを導入し、病気・骨折の早期発見に努めています。
症状は、すぐに現れるとは限りません。また、必ずしも強烈なものとは限りません。外傷直後に受診するのが理想ですが、様子を見ていて何か気になったことがあれば、できるだけ早くご相談ください。