蓄膿症/副鼻腔炎と頭痛

蓄膿症(副鼻腔炎)による頭痛がひどい、吐き気がある

蓄膿症(副鼻腔炎)とは、副鼻腔の粘膜が炎症を起こす病気です。原因としては、ウイルス・細菌感染、アレルギー性鼻炎、鼻ポリープによる換気の低下などが挙げられます。
鼻水、鼻詰まり、後鼻漏、顔面の痛み・圧迫感、嗅覚障害などに加えて、頭痛や吐き気が起きることがあります。特に「顔の奥が痛い」といったように感じる場合には、蓄膿症の可能性を考慮して検査・診断を行う必要があります。
「頭痛があり蓄膿症かもしれない、けれど脳の病気も心配」という場合には、お気軽に前田脳神経外科クリニックにご相談ください。最新のCT・MRIを用いた正確な診断を行い、適切な治療へとつなげます。
また必要に応じて、耳鼻咽喉科などと連携します。

蓄膿症(副鼻腔炎)による頭痛の特徴

副鼻腔とは、前頭洞、上顎洞、篩骨洞、蝶形骨洞と、左右それぞれ4つの空洞の総称です。蓄膿症では、どの空洞で炎症が起こっているかによって、痛み(頭痛)の出方が異なります。
前頭洞であれば額の奥、上顎洞であれば頬の奥、篩骨洞であれば目の奥、蝶形骨洞であれば頭の奥がそれぞれ痛む傾向にあります。

蓄膿症(副鼻腔炎)の症状は?

蓄膿症(副鼻腔炎)の症状は?
  • 鼻水、鼻詰まり
  • 後鼻漏
  • 顔面の痛み・圧迫感
  • 嗅覚障害
  • 頭痛
  • 吐き気
  • 発熱

蓄膿症では主に、上記のような症状が見られます。意外に思われるかもしれませんが、鼻水・鼻詰まりの症状がないといったケースも少なくありません。

蓄膿症(副鼻腔炎)による頭痛を放っておくと…

蓄膿症の頭痛を放置していると、慢性化したり(慢性副鼻腔炎)、合併症を発症したりといったリスクが高まります。
慢性化すると、身体の抵抗力が低下した時に頭痛などの症状が強く現れたり、治療に時間がかかったりといったことで、さらなるQOLの低下を招きます。
また、蓄膿症の合併症としては、中耳炎がよく知られています。その他、稀ではありますが神経障害、脳膿瘍、髄膜炎などの重大な病気を合併する可能性もあります。
頭痛を含めた蓄膿症の症状でお悩みの方は、たとえ症状が軽くても、お早めに当院にご相談ください。

蓄膿症(副鼻腔炎)による頭痛の検査

蓄膿症が疑われる場合、耳鼻咽喉科では通常、鼻鏡を使った視診、レントゲン検査などが行われます。
当院のような脳神経外科の場合には、鼻鏡は使わず、CT検査・MRI検査を行い、診断します。頭痛でいらっしゃった患者さんの場合、脳疾患などの可能性を排除するという意味でも、CT検査・MRI検査を受けておくのが安心です。

蓄膿症(副鼻腔炎)による頭痛の治し方

頭痛に対する対症療法としては、鎮痛剤の内服が有効です。ただ、もちろんこれでは根本的な解決にはなりません。蓄膿症の頭痛については、蓄膿症を治療することで軽減が期待できます。

蓄膿症(副鼻腔炎)を治すには…

抗生物質の内服

細菌性の副鼻腔炎の場合には、抗生物質の内服が有効です。マクロライド系の抗生物質を少量で2~3カ月継続して内服することで、70~90%の症例で治癒が期待できます。

鼻洗浄

ご自宅で行っていただく治療です。鼻洗浄専用の液(生理食塩水)を、片方の鼻の穴から注入し、副鼻腔の膿を反対側の鼻の穴から排出させます。
正しい方法を指導いたしますので、ご安心ください。

抗アレルギー剤、点鼻ステロイド

鼻腔・副鼻腔の粘膜の炎症を抑える抗アレルギー剤、点鼻ステロイドを使用します。炎症が治まることで、頭痛の軽減が期待できます。

手術

保存的治療で十分な効果が得られない場合には、手術が検討されます。内視鏡を用いて、副鼻腔の異常な粘膜、鼻ポリープを除去し、副鼻腔の換気を改善します。

脳神経外科で発見される蓄膿症(副鼻腔炎)

脳神経外科で蓄膿症が見つかる、というのはまったく珍しいことではなく、むしろ日常的に起こることです。それだけ、蓄膿症で頭痛が現れるケースが多いということです。
当院では、最新のCT・MRIを導入しております。これにより、脳の病気の可能性を除外して蓄膿症の診断を行うことができます。また、蓄膿症かもしれないと思いつつ検査をしたら脳疾患が見つかる、という逆のパターンも起こり得ます。
正確な診断により、病気の早期発見と早期治療、症状の早期緩和ができるようサポートいたします。